記事のタイトルにある「穴蔵」をご存知でしょうか?
穴蔵とは字のごとく、土に穴を掘ってつくる蔵のことです。
そこでは食物の貯蔵や保存だけでなく、味噌やしょうゆといった発酵食には欠かせない麹(こうじ)づくりがおこなわれていました。
麹をつくる、とはなかなかイメージしづらいのですが、簡単にいうと米や麦などの原材料に麹という菌(カビ)を生やすことを指します。(麹はカビの仲間だそうです)
道志村で昔から使われてきた穴蔵。
今も村に残る穴蔵を2つご紹介します。
川原畑地区にある穴蔵です。
土の山に横穴が掘ってあります。
昔はこういった穴蔵が村内各地にあったといいます。
しかし、道路の拡張に伴い、その多くは消えてしまったそうです。
穴蔵のなかに入らせていただきました。
なかは思っていたよりも広く、奥行きがありました。
6畳のアパートの一部屋くらいはありました。
穴蔵の奥に進むとさらに横穴が掘られていました。
広さからしてもたくさんの物が貯蔵できそうでした。
なかはひんやりとして、澄んだ空気で満たされているようでした。
時折雫が頭に落ちてきました。
天井や壁を明かりで照らしてみると・・・
たくさんの雫が見られました。
外に降った水が染み出たものだと思われます。
この蔵が土を掘った手製のものであることを感じさせます。
今のような大きな掘削機械や道具もない時代。
先人の技術と努力には感服します。
そして今日もこうした穴蔵が残されていることに驚き、うれしさを覚えます。
昔、この穴蔵は養蚕に使われる桑の葉っぱを貯蔵するために使われていたそうです。
桑の葉っぱをたくさん必要としたためか、その広さにもうなずけます。
しかし現在は、野菜などを一時的に貯蔵する程度しか使われていないといいます。
生活が変わり便利な世の中になったことで、穴蔵の必要性は昔ほど高くないかもしれませんが、古きものの良さは残していきたいものです。
こちらの穴蔵は今も味噌を仕込むための麹づくりに使われています。
道路の拡張工事に伴って古い穴蔵がなくなってしまったため、コンクリート製にして新設したそうです。
写真に見える棚に「もろぶた」といわれるお盆のような容器が置かれています。
もろぶたには麹づくりの原材料である米や麦を広げ、麹菌をまとわせます。
この蔵のなかで火をおこし、30℃ほどの温度を保って麹菌の成育を促します。
穴蔵のなかはススで黒くなっており、燻された匂いが立ちこめていました。
味噌の味を決めるのは麹の良し悪し!
そんなことを以前に聞いたことがあります。
実際に穴蔵を使ってつくる麹で仕込んだ味噌は格別だといいます。
今はスーパーなどでも簡単に麹が手に入りますが、同じ方法で味噌を仕込んでも味には差がでるそうです。
そのため、道志村では今も手間をかけて穴蔵での麹づくりがおこなわれています。
今年の冬はこの穴蔵をお借りして味噌づくりをしようと思っています!!
そしていずれは、昔ながらの製法で手づくりしょうゆを復刻させたいです!!!
しょうゆづくりまでの道のりはまだ長い・・・
文:なかじま[協力隊の缶バッチできました(*´∀`)役場の方にご協力いただきました!!]
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池畑彰 (木曜日, 03 3月 2022 00:13)
穴蔵の発しよぅの地を探しています。誰か知りませんか?池袋にもあるらしい